SSHの概要

岡崎高校第4期スーパーサイエンス事業の取組

岡崎高校は平成14年度からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)として,先進的な理数教育に取り組んでいます。第4期SSH(平成30年度~令和4年度)では,「岡高キー・コンピテンシー」(科学を使えるようになるための資質・能力)を伸ばして,未来社会を切り拓く国際リーダーの育成を図ります。

校長挨拶

愛知県立岡崎高等学校長 柴田 悦己

 本校は、文部科学省の指定する最初のスーパーサイエンスハイスクール(以下SSH)として、平成14年度からこれまで、17年間にわたり、先進的な理数教育について研究・実践を重ねてまいりました。この間、東京大学、名古屋大学、愛知教育大学、自然科学研究機構など、多くの大学並びに研究機関の先生か ら、生徒への指導はもとより、教職員の指導力向上にも並々ならぬ御支援をいただいております。 本校は、第1回目の指定で、普通科高校における理科と数学を重視したカリキュラムの開発や、従来の学校教育の枠を越えた、大学や企業の教育力を生かした指導法について研究し、第2回目の指定では、地元の名古屋大学と締結した「スーパーサイエンス教育交流協定」に基づいて、本校生徒の大学での単位認定が可能となりました。また、SSH事業開始以来、教職員が大学で学んできたことを活用して、本校において実験・実習を中心とした各種のスーパーサイエンス特別課外活動を実施するとともに、理科や数学を重視するだけでなく、倫理観、論理的思考力、プレゼンテーション能力の育成を目的とした本校独自の学校設定科目 を設定して、幅広い分野での実践的研究に取り組むなど、成果を挙げてまいりました。 第3回目の指定となる平成24年度からは、学習指導要領改訂の趣旨も踏まえて教育課程を見直し、学校設定科目としてのスーパーサイエンス科目の増設を行うとともに、世界で活躍できる人材の育成を目指して学校教育のグローバル化に取り組んでまいりました。具体的には、未来を担う若者に必要な力を、「論理的思考力・課題解決力」及び「国際社会に対する積極的態度」と位置づけ、「課題研究」「EC(イングリッシ ュ・コミュニケーション)研修」「海外(米国)研修」等を含む事業を設定し、取り組んできました。 その後は、平成29年度のSSH経過措置を経て、平成30年度にSSH校として4回目の指定を受けま した。平成29年度に第1学年から始めた全生徒による探究活動の試みである「探究AKC(Activities for Key Competencies) 」を、平成30年度は第2学年にも拡大するとともに、他教科と連携した学校設定科 目を実施しました。また、本校における「SSHの日」を設定して講演会並びに英語による発表を交えた本 校生徒の成果発表会を開催しております。元号が令和となった本年度は、「探究AKC」を全学年で実施す るとともに、これまでのSSH事業を通じて培った経験や組織力を生かし、理数教育を核とした教科指導全 般にわたる指導方法の改善に取り組んでまいりたいと考えております。 また、本校は、自校での取組だけではなく、他校への研究成果の普及還元の取組を進めております。過去には、「中核的拠点校(21年度)」 、 「コアSSH(22年度から3年間)」の指定を受け、本校を中核とした県立のSSH指定校7校が各学校の特色や地域の教育力を生かしたSSH事業を企画し、他校生の参加を可能にしてきました。さらに、平成21年6月にSSH指定校を幹事とする「あいち科学技術教育推進協議会」が設置され、現在25校が参加しています。この「あいち科学技術教育推進協議会」が主催する愛知の 理数教育に関する合同発表会「科学三昧in あいち」を毎年12月下旬に開催しており、平成30年度には 第10回を記念して、「WPI(世界トップレベル研究拠点プログラム)サイエンスシンポジウム」と共同して名古屋大学で実施し、生徒や高校職員、大学・研究機関・企業の教育関係者など、参加者約800名、 190件の研究発表がなされるなど、充実した内容とすることができました。
 今後とも、本校のSSH事業に対しまして、皆様の御支援・御指導を賜りますよう、よろしくお願いいたします。